シャレマニ個別感想 メイ√
どうも、あたしです。
シャレマニ個別感想、第9回目。ついに、ここまで来た。
ネタバレするので、未プレイの乙女の皆様方はお戻りください。
陀宰メイ√感想
実はアタイ、陀宰メイを見てシャレマニをプレイしようと決意したんですよ。初見推しでした。シャレマニの世界に連れて行ってくれた男と言っても過言ではない。
√を終えた感想として、あたしの目に狂いは無かった。
ありがとう陀宰メイ。 お前はやっぱりいい男だったよ。さすが人気投票一位の男だけあって、最初から最後まで期待を裏切らないいいヤツっぷり。
物申し系ユーチューバーならぬ物申し系乙ゲブロガーである(そんなの自称すなよ)あたしも、陀宰メイに関してはあまりケチをつける所がない。(つけるな)
金もらってる訳でもないし、このブログは完全自己満の趣味ブログな訳で、「こういう所が良かった!サイコーでした!」ってことばかり書くのってなんか違うじゃん。あくまでも公平でニュートラルな視点から書かないと感想ブログって正直何の役にも立たないと思ってて、自分がパブサしててもすごい主観的なことばかり書かれてたり、単純にその人の好みのタイプだからっていう視点でしか感想ブログが書かれていないとちょっと、う〜ん😅どうなんだろ・・・ってなる。
だから、あたしブログではとにかく√毎の「良い所」も「悪い所」もちゃんと正直に書きますよっていうスタンスでやっているので、やや辛口になったりもしがちなのですが。(このタイミングで長々と運用方針を語るな)
陀宰メイ√はな〜非常に安定感があった。
8章の隔離組共通√時の匂わせ含め、会話から受け取った陀宰メイのキャラクター像から驚くほど何も変わらない。他√を全て終わらせていたあたしからすれば、もうP候補に残っているのは陀宰メイで、疑いようのない事実だったのだけどそれでも「いや、陀宰メイは絶対に悪くない」、「陀宰メイはPであるはずがない」と確信に近い信頼を預けてしまう安心感。
そ〜そ〜、陀宰メイにはそういうポジションを期待していたんだよ〜っていうのを全部やってくれた。前回のリョウイチさん√で疲弊していたあたしには嬉しすぎた。
引き出しの中から大量の猫の写真が出てきた時点でSUKI。
一緒にいてほっこりするというか、何も不安になることがないから恋愛に集中できる。
「恋愛もの系のドラマだってまだまだ続くんだろうなと思うと……。今からこんなんでどうすんだ俺……」
「そうじゃないドラマで、しかもどっちか分からない人にまで緊張して。……この先もまともに出来る気がしない」
慣れるために試しに一回手でも繋いでみるか?って自分から提案しておきながら、
「俺だって、な……慣れておきたいし。だから、お前が嫌じゃなければ」
「そう、だね……じゃあ、練習に一回だけ……」
「これ、想像以上に恥ずかしいね……」
「付き合ってるやつらってすごいな……こんな恥ずかしいこと、日常的にやってるんだろ?」
〜手ぐらい繋げや〜
もうね、こいつ絶対あたしのこと好きなの。ちょっとした反応がまさに「好きです」感満載で、おじさんニッコニコしちゃう。(ニチャア〜とした笑顔)
「不安にさせてごめん。ただ、何もかも安易に信じて、お前が傷つくのは見たくない」
「……明瀬が言うことも分かる。全員を、信じていたい。俺もその気持ちはある」
「でも、油断はしない方がいい。窓の世界に帰り着くその時までは、全員を疑ってかかることも必要だ」
「まあ、俺のことは信じていい」
「……そう言って油断させてるとか?」
「そこで疑ってくるとは、いい調子だな。いいよ、疑っても。俺はお前を信じてるけど」
射落さんにちょっとからかわれただけで頭真っ白になってドキドキしちゃうウブみがある癖に主人公に対してはひたむきに、丁寧に自分の想いを伝えようとしてくれるから嬉しくなるし、こんな状況の中で陀宰メイだけは変わらずに影からそっと支えてくれる温かさがあって、精神をすり減らしながら日々学級裁判を開廷している(※していません)プレイヤーにとって文字通り「支え」となるような存在なんですよ。
「ここにいる人間を、一人残らず信じられなくなってもーー」
「俺はいなくならないよ。俺にとっては、お前だけが真実だから」
「どんなことがあっても、俺は最後までここにいる。絶対にお前を置いて行ったりしない」
「お前が俺を信じられなくなっても、俺はお前を信じてるから。だから……」
「お前は独りじゃない」
こんなことを言われて疑えるわけがない。
萬城トモセの重すぎる愛を交わし、獲端ケイトの面倒くさいツンデレを攻略し、凝部ソウタに限界まで引き摺り回され、双巳リョウイチに思い切りぶん殴られてきたアタイの心をまるで菩薩のように受け止め、癒してくれた。そんな男、陀宰メイ。
フォーエバー・感謝。心に痛み入るわ。
もはや主人公と一緒に一体何を信じて何を疑えば良いのか、まるでわからなくなってしまったあたしを、「お前は独りじゃない」と何度も安心させてくれた。これだけで普通恋に落ちてしまうわ。
それぞれのドラマのタイトルが、その√の恋愛の特徴だとどっかの感想回で申しましたが、陀宰メイとのドラマのタイトルは、「君への愛に、最上のドルチェを添えて」。
もう、わかってしまうよ。陀宰メイという男の”本質の良さ”が。
「…………」
気にしているんだと、分かる。本当に平気なのかと、目で訴えているようだった。
(そんなに気にするほどのことじゃないのに)
その陀宰くんの気遣いに、微笑んでしまう。平気だよと伝える意味も含んで。
『……ありがとう』
すると陀宰くんは私の手を、台本通りに自分の頬に当てる。
目を瞑り、愛おしげに。
(わ〜……)
台本に並んでいる文字を読むのと、実際に演じるのではこれほど違うのかと驚く。
驚く一方で、胸の高鳴りが止まらない。
(……陀宰くんのそんな顔、初めて見た)
少し切なさを含んだ表情が柔く崩れ、伏せた目がすべての言葉を呑み込んでいる。
手を通して伝わる陀宰くんの体温が、心地よい。何より優しく、穏やかでーー
「お前がいれば、頑張れるよ」
オメエを、幸せにする。
俺はそう決めた。 どこまで純粋にあたしのことを愛してくれるんだ。それが自分勝手なものじゃないからこそ、手を繋ぐだけで緊張してしまうし、自分が触れることが「嫌じゃないのか?」としっかり確認してくれる。自分が〜じゃなくて、相手が「良い」と思うか、「悪い」と思うかを優先することのできる心の持ち主で、恋愛も決して独りよがりのものにならずに、ただひたすら献身的な愛を注いでくれるんですよ。嫌いなわけがない。こんなの絆されてしまうに決まっとるがな。
女って、辛い時に優しくされると弱いじゃないですか。まさに陀宰メイ√はそこを突いてくるから軽率に落ちそうになるσ(^_^;)
それに加えて、「どう考えても絶対過去に何かある」をめッッッッッちゃ匂わせてくる。しかも多分、絶対にあたし(主人公)の大切な人だった系のやつ。
誰かが、何かが私の頭を叩く。揺さぶる。それは過去か、現在か。
「思い出して欲しい。僕がキミの過去に存在しないってことを、思い出して欲しい。そう願うのはおかしいこと?」
「おかしいに決まってんだろ。瀬名は真面目に考えてたんだ。お前の冗談で振り回すなよ」
「じゃあキミのは何なのさ?思い出せもしないことを思い出せって言うのは僕の冗談と何が違うの?」
「……っ!」
「そうやってこの子を縛るのは何の意味があるの?どんな目的があってやるのさ。教えてよ、その理由を」
「僕の冗談を責めるなら、その理由を教えて。でなきゃ態度を改める気持ちにはなれないね」
「素っ気ないフリをしながらたまの優しさで気を引いて、彼女を縛り付ける引き込んでどうするつもり?」
「本当は全部演技だったりしてね。そうやって彼女を惑わせて、狂信者にでもするつもりなのかな」
凝部ソウタが正しい。
お前は一体何なんだ。どこの√でも匂わせてきて、正直気になって気になってしょうがなくなるだろうが。やめろ。
「……あ、あの。凝部くんも……本気で陀宰くんを疑ってああ言ってる訳じゃないと……」
「いや。あいつは俺を疑ってるよ。そういう奴なんだ」
「……そうかな……」
「でも、だから信用出来る。ゲームに勝つためなら何でもする奴だから……味方にするなら、あいつがいい」
同感。
「……味方、って」
「凝部は信じていいと思う。もしお前が一人、選ぶなら」
「あんなこと言われたのに、信じていいだなんて……すごいね」
「間違ったことは言ってない。何が本当で何が嘘かなんて、証明出来るものは何もないし」
「ましてや他人の感情なんて分かる訳がない。誰が何を考えて、何を思ってーー」
「誰のことを、好きか」
ーー目が、合った。
誰が何を考えて何を思っているのか、確かに私も分からない。
(でも……嘘を吐いてる顔か、そうじゃないかくらい)
(分かっている、つもりで……)
「……本当は少し、ムカつく。俺だって何もかも全部話して、冗談だって言いたい」
「『思い出すことがないと思い出してもらえた』あいつが羨ましい」
「自分の居場所を証明出来るあいつが……羨ましい……」
「ごめんね、陀宰くん」
「……なんで今謝るんだよ」
「だって、思い出せていないから……私が思い出せばきっと解決することなんだよね?そういうことじゃないの?」
「そう、だけど……そうじゃない……っ」
「……あの……」
「…………悪い。これじゃお前が混乱するだけだって、分かってるつもりなのに」
「ほんとムカつくなあいつ。いつも俺に出来ないことをするから」
「だから……お前に思い出してもらうことを俺は何より優先するべきなのに」
「つい……余計なことまで言いそうになる……」
ふざけるな。
(急にキレ始めるキモオタの図)
まじで、おま・・・・やめろよ・・・・。そういうのまじでやめろよ・・・。ずるいだろ・・・・。絶対にいいヤツなんよお前は・・・・。そして多分絶対にあたし(自己投影夢女型乙ゲーマー)のことをずっと好きでいてくれとるんよ・・・・。
言葉にされなくてもそういうこと全部わかってしまうから、陀宰メイ√はずるい。「NO」の選択肢がない。
静かな学校は、まるで夏休みの学校だ。
(……ここでやるべきことが、全部終わって)
(私が向こうの世界に戻ったら、どんな気持ちで学校を歩くのかな)
(どんな気持ちで、みんなと話すんだろう)
(ここであったことをどんな風に思い出すんだろう。みんなのことを……)
(どんな風に、憶えておくんだろうーー)
この何気ない心情描写が伏線だということも、よく訓練されたあたしにはわかっていたよ。
「どこへ行っても、どんな時でも、お前はお前で……全然変わんなくて」
「安心するよ。すごく……」
「つらいことや悲しいこともたくさんあったし、今も多分……お前は苦しいんだろうなって、思うけど」
「それでも諦めずに頑張ってるところがすごいと思うし。ーーやっぱり、好きだ」
こんな、穏やかに....;
「そういう意味じゃ、こっちに来て良かった。……確認出来た。自分の、気持ちも」
「まあ、今のは独り言みたいなもので。……ずいぶんデカい独り言だけど」
「本当に、すごいと思うよお前は。お前がいるから前向きに、諦めずにいられる」
「お前がいるから……頑張れるよ。お前が笑顔で帰れるなら、どんな形でもいいって思うし」
「そのためなら、どんな想いだって捨てられる」
やめろ;;;;
「捨てる……?」
「仮に、の話だけど。本当は捨てたくなんかないし、捨てたフリして隠してるだけかもな」
「……でもそんなのどうだっていい。お前が幸せでいられる居場所を見つけられるなら、どうだっていいことなんだ」
「そう思えるようになったのが、俺にとっての幸せかな。選んで良かったーーこの道を」
・・・聞きました??????
主人公の幸せを願えるようになったから、「この道を選んで良かった」って、言ったんですよ????もはやこの域まで来ると馬鹿なのでは???と思う。それほどすごい。
トモセとはまた違った形で、どこまでも主人公を優先し守ろうとする自己犠牲の精神。
凝部ソウタの代わりに罰ゲームも受けて、みんなを帰還させ自分ただ一人が残って、誰の記憶からも忘れ去られ、帰るためにプロデューサーにもさせられて、今度は主人公の笑顔を守るためにまた自分だけが犠牲になろうとしている。
何も言わずに、抱きしめさせてくれ。
多分ね、 陀宰メイの真相が予想のもっと先から攻めてこられてたら、あたしは間違いなく陀宰メイの女になっていた。
なぜなら、ゲームをプレイして体験した以外の時間で、自分の知らない経験として設定されている恋愛が好かんからである。
だってさ、あたしはこの『CharadeManiacs』というゲームを起動して初めて攻略対象の男たちのことを知るわけでしょ?そして彼らを知っていく中で、主人公の視点を通して段々と好きになっていくわけでしょ?それが「乙女ゲーム」でしょ?
なのに、ゲームをプレイすることによって体験しうること以外の「設定」としての経験を持ってこられたら、「は?何それあたし知らないんだけど」ってなるんですよ。わかります???
だからこの陀宰メイ√、話の流れで大体の人間は「あ〜多分主人公と過去に出会ったことのある男で、何らかの事情があって過去の異世界配信に参加している、そして恐らく陀宰メイに関するみんなの記憶が消されている」っていうとこまでは察することができたはずで、結局真相としては主人公の隣の席の男の子で、異世界配信に一人で残ったはもののやっぱり帰りたくなって、そのためにPと交渉し「消えた記憶のことは話さずに、主人公が陀宰メイのことを思い出せば勝ち」という特別ルールのもとでPと賭けをしていた。その際に自分がPとなる。きっと主人公であれば自分のことを思い出してくれると信じ、今回の異世界配信のキャストに推薦した・・・という内容で、主人公が記憶を思い出すトリガーとなったのが、過去の告白シーンのプレイバック。
ーー今なら分かる。初めてじゃない。
こうやって二人で教室を歩いたことも、その背中について歩いたことも。
そしてその時と同じように、陀宰くんは窓辺に立った。
眩しい光に、包まれながら。
「瀬名」
振り向いたその笑顔にも、見覚えがある。
知っている。
ずっと、前から。
「あの時俺、照れくさくてさ。お前が俺の言ったこと本気にしてないかもって思った瞬間、誤魔化したりして」
「失敗したって思ったよ。ちゃんと言えば良かった。だってその時の気持ちは今も全然代わってないし」
「むしろ強くなって、自覚した。何が本当で、何が嘘かなんて証明出来るものは何もないけど、それでも」
夕陽に照らされながら、陀宰くんは言った。
いつかと同じように。
「俺はお前が好きだ」
ーーその、いつか。
『俺はお前が好きだ』
照れくさそうに言って、誤魔化した。
だから冗談かと思って、私も誤魔化してしまった。
『眠いよなー、この授業』
隣の席に座ったその人は、あくびをしながら話し掛けてきた。
いつもは無愛想で素っ気ないけれど、話すようになったきっかけは。
『……は?なんで俺がクラス委員になってんの』
帰宅部だからというだけの理由で、周りの友達に推薦され彼はクラス委員になってしまった。
貧乏くじをよく引く彼の隣で、私は笑った。
『私もクラス委員だから。よろしくね』
『お前は立候補かよ。偉いな、こんなの面倒臭いだけなのに』
『一回くらいやっておいてもいいかなと思って』
『はは……じゃあ俺も一応頑張るか。よろしく、瀬名』
二度目の告白を繰り返し、今度は誤魔化すことなく言葉を繋げた。
「どんなことがあっても、いつか俺がいなくなっても、お前なら憶えていてくれる……」
「思い出してくれる気がしたんだ」
「だから俺は、お前を選んでここに呼んだ。つらい目に遭わせるとは思った。でも、最後の切り札は俺が持っていたし」
「いざとなれば元の世界に帰してやればいい。そう思っていた」
「でもお前が苦しんでるのを見ながら、それでも思い出して欲しいといつまでもそれを切れずにいた」
「……俺だってやっぱり、諦めたくなんてないし。お前と一緒にいたいし」
「せめて最後に……伝えたい。好きだよ、瀬名。忘れないでくれ。今度こそ」
「俺が隣にいたこと。好きだって言ったこと」
「忘れないでくれ……みんな忘れてしまっても、俺はずっとーー忘れないから」
(ーーあ)
(そう、だったね)
(私が『あの時』そう言ったこと、陀宰くんはーー)
(憶えていてくれたんだ)
いや、めっちゃ良いシーンなんよ。めっちゃ良いスチルなんよ。でもさ。
乙ゲにおいてそういうの、フェアじゃなくない??
どう考えても他の√と比べて陀宰メイが優遇され過ぎだし、過去の告白の回想と言われても今このゲームをプレイしているあたしには全く知らない話だから、完全に主人公から自分が引き剥がされたような感覚。
だから、この展開になるのが読めてた時点であたしの推し候補からは外れました。
誤解しないで欲しいのが、陀宰メイ自体のキャラクターは本当に素晴らしくいい男で、矛盾もなかったからみんな好きになるのはしょうがない。他キャラクターには見られない自己犠牲という愛情表現には拍手しかない。だから人気投票で1位に選ばれるのも納得だし、末長く幸せになってもらいたい男ナンバーワン。
だけど、あたしの乙ゲスタンスに合わなかったというだけ。ただそれだけの話。
ニルアドの尾崎隼人を思い出す。(感想書いてるぉ)
あとは単純に、展開が読めすぎたからそこまで泣けなかった。射落さん√の方がびっくりして泣いたし真相√は再起不能だったけど(後日まとめます)陀宰メイ√は、「まあ、そうだよなあ・・・」と腑に落ちて着地したって感じかな。
むしろ告白シーンよりも、その前の教室に向かって走ってるシーンの方がウルっときた。
「瀬名。俺と一緒にドラマを演じて欲しい。いや、ドラマとは違うか」
「……?」
「ただ、繰り返すだけだ。同じことを……だから、一緒に」
「どういう……こと?」
「ーー頼む。これが最後のお願いだから」
学校に風景が切り替わる
「うわ。こんな時に間違えた」
「間違えた?」
「まあいいか。走るぞ、瀬名!」
「一人でここに残った時、思ったんだ。俺はもっと何か出来たんじゃないかって」
「もっと毎日を大切にすれば良かった。誰と過ごす毎日も、絆も、もっと大切に出来たはずだ」
「大切に……?」
「友達とか、仲間とか。自己犠牲とかそんなんじゃなく、周りを大切にしたいって思ったんだ」
「実際俺の我が儘に付き合わせてるようなもんだしな。そのせいでみんなを苦しめてるなら……」
「せめてみんなが笑顔で帰れるように、俺が出来ることをしたかったんだ。そう思ってた。ずっと」
ここでなぜか涙が出そうになるんだなあ。
十分みんなに優しかった陀宰メイが、「もっと大切にしたい」って、この苦しい経験を、「苦しかった」だけに留まらせずに、自分の成長へと繋げていけるだけの心の持ちようがある。常人じゃできない芸当。
(……ずっと……)
「だから、後悔なんてない。お前を……みんなを元の世界に帰す。それが一番大切なことだったーーでも」
「一つだけ。最後くらい、本当のことを言ったっていいだろ」
また手を引かれる。
その姿を見ながら、こんな時なのに声を漏らしてしまった。
「ふふっ」
「え?今笑った?」
「だって」
「授業に間に合わないって、急いでるみたい」
「ああ」
「確かに」
誰もいない廊下を、二人で走る。
夏休みの学校みたいだ。またそう思う。
ここが夢の中なら。陀宰くんと二人廊下を走ったって、何もおかしくなんてない。
本当にね〜〜陀宰メイはいいヤツ。その一言に限る。 考え方とか周りへの気遣いとか、いつも貧乏くじを引くけど誰よりも常識人で困っている人には必ず手を差し伸べる優しさとか、好きになるための材料がいくらでもある。だから絆されまくる;;;
しかも、あたしが一番「良いな」と思ったのが、陀宰メイを動かす原動力が自己犠牲だけじゃなくて、その中にも自分の願望も捨て切れないところ。
「俺がプロデューサーになったのは今回だけだ。前回までは別のプロデューサーがいた。前回配信の時は……」
「……仲間の中に潜んでいたプロデューサーを、俺が見つけたんだ。そして真実を突き止めたご褒美として大量のポイントをもらった」
「でも、ポイントをためても……帰還には条件があった。帰還出来るのは一人。あるいは一人を除いた他全員」
「あ……!!」
「どちらか選べと言われたんだ。仲間を犠牲にして自分が帰るか。それとも、自分を犠牲にして仲間を帰すか」
「そこで俺が、異世界配信を終わらせていたなら自己犠牲で終わったんでしょう」
「でも俺は、帰りたかった……帰りたいから、プロデューサーと勝負をすることにした」
「通常のルールとは違う勝負です。次の配信では俺がプロデューサーとなり、異世界配信を行う」
「そしてプロデューサーだとバレることなく、一人のキャストに俺のことを『思い出して』もらえれば俺の勝ち」
「思い出してもらえなければ、俺の負け。このまま異世界に残る。だから俺は、キャストの一人にーー」
「瀬名を、選んだ。きっと瀬名なら、俺を思い出してくれると思ったから」
「それに何より、もう一度会いたかった。もう一度会って、好きだって言いたかった」
「危険だって、分かってたのに。苦しめるって分かってたのに……俺の我が儘に……付き合わせて、ごめん」
危険な目に遭わせることになるとわかってはいた、でも、どうしてももう一度会いたかった。好きと言いたかった。なんて、どこも嘘だらけの異世界という世界の中で誰よりも人間らしい感情を見せてくれた。最高では?
ただの偽善者・自己犠牲だけで終わるんじゃなくて、陀宰メイにもそういう泥臭い部分がちゃんとあったんだな〜って知ることができる。「陀宰メイ」というキャラクターの魅力を引き出すシナリオライターさんの描き方には素直に感謝。
どっちにしろもしゲームに負けることになれば、自分で自分を指名して全員を帰還させる予定だったというのだから、敵わねえな・・・。
全√を通じて、「信じる」ことの難しさを痛感させられるゲームでしたが、陀宰メイ√での1番の名言は明瀬の言葉ではないだろうか。
「……信じるって自分勝手な言葉だよな。俺はお前と話した後、そう思った」
「……え?」
「前にお前が弁当作ってた時、信じるために疑うって言ってただろ?その後にさ」
「俺の『信じる』は、すごく自分勝手だったなって思ったんだ」
「…………」
「勝手に思い込んでたんだよ。陀宰はいいヤツだし、いつも協力的で……不器用なとこあるけど、正直で」
「こいつは絶対ウソなんか吐かねぇなって思ってた。けど、違った。だから裏切られたと思って許せなかった……って話はしたよな」
「はい」
「それなら最初から信じなければいい。信じるから裏切られるんだ。なんか獲端みたいだけど、それも間違ってない」
「でも……それでも、信じたいって思うのは……ただの俺のエゴで、俺の我が儘で」
「信じてくれなんて陀宰は一度も言わなかった」
「……っ、言ってないけど、でもそれなら……信じちゃ、ダメだったって言うんですか……!」
「だからさ、信じるならーー最後まで全部信じないと意味なかったなって」
「裏切られたって思った時点で、それはもう俺の理想の押し付けだったんだと思う。俺の思い描いてた信頼と違っただけで」
「本当は元々違ったのかもしれない。それなら勝手に思い込んだのは俺だよな」
「全部受け入れるつもりがないなら、最初から信じなければいい。……はは、なんかこういうの……」
「……恋愛とかに似てるな。そいつの全部を受け入れたくなけりゃ、最初から好きにならない方がラクだし」
「知らなかった一面を知って裏切られたなんて言うのは……ちょっと自分勝手だなって思うしさー」
「……だから、やめた。裏切られたと思うこと自体が、俺の思い込みだったんだって考えて」
「俺は俺のやり方で、最後まで信じるよ。陀宰はいいヤツだよ、すげーいいヤツ」
「俺がそう思うのは自由だし。それがウソだったとしてもまあいいよ」
「だって理由があるかもしれないからな。分かんねぇけど、何かあるのかも」
「……何もなかったとしても。最後まで信じたって」
「途中で裏切られたって思って責めるより、よほど気が楽だよな。少なくとも……俺はそうみたいだ」
格&言。
「信じる」ことはすごく自分勝手で、あくまでも自分がそう決めただけなのに「裏切られた」と感じること自体がまた自分勝手でわがままなこと。どうせ信じると決めたのなら、最後まで信じることを貫き通せ。
もう陀宰メイ√そのまんまじゃん。
ED前
「……好きだ……ずっと」
「……っ」
チュー!
「と……突然だね。びっくりしたよ……」
「……俺ん中じゃ全然突然じゃないけど?ずっと……我慢してたし」
「そうならそうって、言ってくれれば」
「言えるかよ。ただでさえ俺ばかりーー」
「ばかり?」
「……好きなのに。お前のこと」
「…………お互い心の中なんて見えないから、分からないことばかりだね。でも」
「私も……陀宰くんのこと大好きなんだよ。あの世界で……迷って、誰も信じられなくなって、それでも陀宰くんはそばにいてくれて」
「だから前に進もうって思えた。どんなことがあっても、陀宰くんを信じることが出来たのはーー」
「陀宰くんが、陀宰くんだったからだよ。ずっと私を支えてくれた……」
「私の好きな、陀宰くんだったから」
「……っ、そういうこと、言われると……」
「泣きそうになるから。やめろ」
「なんで?泣いてもいいよ」
泣けよ;;;;
俺が泣いてまうだろうが;;;
「泣きたくねーの。これまでずっと我慢してきたんだし。どんな時も」
「どんな時も?……一人の、時も?」
「…………一人と言えば一人だったし、そうじゃないと言えばそうじゃなかったな」
「……どう、だったっけ……もうあんま憶えてないな……でも……すごく長い時間だった気がする」
「孤独ってこんなに長いのかって思った。一人で考える時間は、すごく長くて」
「他のみんなを帰したことを、後悔したことだってある」
「…………」
「でも、絶対戻ってくるって言ってくれたバカもいたし。この孤独の先に、未来に」
「もしお前にもう一度会えたら。そう思うとーー」
「一人の時間も、そう悪いもんじゃなかったより……もう戻りたくはないけどな」
「……戻らなくても、平気?陀宰くんの……右目は……」
「戻りたくない。右目を失っただけで済んだなら、大したことじゃない」
「『九人』全員帰還出来て、本当に良かったと思ってるんだ。それが一番大事なことで……」
「何かを取り戻すために、もう誰のことも苦しませたくないよ。……もちろん、お前のことも」
「さっきは……我慢してたから、ずっと素っ気ないフリしてたって言ったけど」
「半分は、罪悪感だよ。お前とどんな顔して話したらいいのか、最初は分からなかった」
「お前がドラマに悩んで声を失ったり、異世界人を怖がって泣いたり」
「帰りたいって。もう全部なかった事にしたいって、お前が言うたびに」
「そうしたのは俺なんだって……誰より大切で、誰より好きなやつのことをそんな目に遭わせた自分を、恨んでーー」
「陀宰くん」
「……それは、前も言ってたよね。だから私……ずっと考えていたんだよ」
「え?」
「陀宰くんが寝ている間、ずっと考えていたの。異世界であったこと。陀宰くんが話してくれた言葉の意味」
「最初は分からなかったことも、思い出せば思い出すほど、意味が分かって胸がズキズキした」
「恨んで、罪悪感を抱えて。だからなおさら、私のことを大切にしてくれたんだよね」
「よく……分かったよ。だから大好きなの。今は……もっと」
「もう後悔する必要もないからね。もちろん……恨んだりも、しなくていいよ」
「……それなら、もう言わない」
「うん。それだけは……忘れていいよ。私は憶えておくけど」
「そこはお前も忘れていいんじゃないか?」
「ううん。だって、忘れたくないし。陀宰くんが私のためにしてくれたすべて」
「これからもずっと……陀宰くんが好きって、迷わず言えるように」
「……憶えておくのは大変だと思うけどな」
「お前のために出来ること、今たくさん考えてる。会えなかった時間、苦しんだ時間、全部埋めるために」
「埋めたら今度は溢れるくらいーーお前が幸せだって感じられる時間を俺が作ってやるから」
「それが、俺の」
「俺の……夢見た未来だからーー……」
リップ音あざまーーーーす!!!
最後まで 「泣きたくない」と気丈な姿を見せる陀宰メイでしたが、バドエンで泣いちゃうのがまたグッときたね・・。
何はともあれ、陀宰メイに盛大な拍手を!!!
お疲れ様でした!!!!;;
お気に入りスチル紹介
〜泣かせるな〜
いい表情だわ。素っ気なくて恋愛に不器用な陀宰メイ、だけど誰よりも心が綺麗で、純粋なままの愛情でいつも支えてくれた陀宰メイ。
とりあえず全世界の乙女たちに幸せにされて欲しい。
みんながお前の笑顔を守りたいと思っている。
まとめ
これでもかというくらい陀宰メイの良さを摂取できた回でした。リョウイチ√での傷を癒してくれて、ありがとう。(以下略)
FDあるのかな。せめてSwitch移植して欲しいよな。
またどこかで陀宰メイの幸せそうな姿を見れることを夢見て、締め括りたいと思います。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。それではまた次の感想ブログでお会いしましょう。
↓次回
あたしでしたฅ^..̫ .^ฅ